みなさんは車を普段使っていますか?
私の住んでいるところは最寄りの駅から3kmくらい離れていて、役所・病院・商業施設なども近くにないので、どうしても必要になってきます。
ガソリン車について回る問題、”ガソリン税”
値段をみるたびウンザリします。
そこで今回はガソリン税の話をメインに、これから変わっていくだろう酒税・たばこ税についても解説をしていきます。
ガソリン税
ガソリン税とは
ガソリン税はガソリン本体価格とは別に、1リッターあたり一律に課税される税金です。
本体価格にガソリン税と石油石炭税を足した額を元に、消費税が加算されます。
156.6+15.66(消費税10%)=172円(端数切捨て)が実際に私たちが払う金額になります。
揮発油税と地方揮発油税の違いとは
揮発油税(きはつゆぜい)は国、地方揮発油税は地方自治体の財源になります。所得税・住民税といい、こういうのはセットにしたがりますよね。
ちなみに揮発油税と地方揮発油税は本来の金額ではありません。1リッターあたり
揮発油税 24.3円(本来の倍)
地方揮発油税 4.4円(本来より0.8円高い)
合計28.7円が本来の金額です。ではなぜ53.8円となっているのでしょうか?
出典: 財務省 自動車関連諸税・エネルギー関連諸税に関する資料 自動車関係諸税・エネルギー関係諸税に関する資料 : 財務省 (mof.go.jp)
※沖縄県については歴史的背景からガソリン税に軽減措置がとられています。
出典: 沖縄県 揮発油税等(ガソリン税)の軽減措置について 揮発油税等(ガソリン税)の軽減措置について/沖縄県 (pref.okinawa.jp)
昔の名残が現在まで続いている
時は高度経済成長期までさかのぼります。
当時の日本は、車社会が急速に進んでいるのに対して、道路の維持・整備にまわす財源が足りておらず、その分を補填する必要がありました。そこで当分の間、使い道がはっきり決まっている”特定財源“という形で制定されたのが始まりです。
一般道路や高速道路の新設・維持に使われ、今の日本の道路があるのは事実です。
しかし急速に道路の整備が進んだ結果、財源も十分足りて逆に余る状態になりました。(今も道路の維持工事はあっても、新しい道路はバンバン作ってないですよね)
そこで政府は2009年より特定財源から自由に使い道を決められる”一般財源“へと見直しを行い、それは今でも続いています。
出典: 国土交通省 道路特定財源の一般財源化について 道路:道路IRサイト 財源 – 国土交通省 (mlit.go.jp)
いやいや、当初の目的が変わってるでしょ!
当分の間という言葉だけうまいこと利用していますね。
トリガー条項とは
トリガー条項という言葉は時々耳にすることがあると思います。
民主党政権時代の2010年に導入された特例措置で、ガソリンの平均小売価格が3か月連続で1リッターあたり160円を超えた場合に翌月から適用されます。
適用後ガソリンの平均小売価格が3か月連続で1リッターあたり130円未満になった時に解除されるものとなっています。
しかし2011年の東日本大震災の復興財源の確保を目的に凍結され、現在に至るまで適用されたことはありません。
出典: 国税庁 揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の特例税率の適用停止等について 9120.pdf (nta.go.jp)
事情が事情なだけに、ここまでは仕方がないと思うのですが….。
何に対して適用されるの?
「トリガー条項が適用されるとガソリンが安くなるんだ、へえ~😄」
そう思った方へ “何に対して適用されるのか?” というのを説明しなくてはいけません。
答えは先ほどの特定財源から一般財源へと変わった上乗せ分の税金です。
腑に落ちないと感じる方も多いのではないでしょうか?
現在の補助金はいつまで?
トリガー条項の代わりに現在、一時的に国からの補助金が石油元売り会社に対して支給されています。
最近のガソリン価格が上がっていると連日ニュースで報じられている背景には、原油価格の高騰の他に、補助金が段階的に引き下げられている影響も受けています。
出典: 経済産業省 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和補助金 燃料油価格激変緩和補助金|経済産業省 資源エネルギー庁 (nenryo-gekihenkanwa.jp)
補助金が出ていなかったらガソリン価格はとっくに200円を超えていたというのも事実です。しかし、
上乗せされているガソリン税を撤廃するのが先なんじゃ?と個人的には思っています。
酒税について
どんなものにかかるの?
お酒の定義は「アルコール度数が1度以上の飲み物」となっています。ビール・発泡酒・日本酒・ワイン・ウイスキー・チューハイはもちろん、粉末酒といわれる粉末状のアルコールが入っているものも、水に溶かして飲むのが目的のため、酒税の対象になります。
酢・料理酒・みりんはどうなの?
酢にはアルコールがほとんど含まれていないため酒税がかかりません。
料理酒にはアルコールが15度前後含まれていますが、食塩が多く含まれているため飲み物ではないとされ、お酒の定義から外れます。よって酒税がかかりません。
みりんには平均14度ほどのアルコールが入っています。「みりんってそのまま飲まないし、お酒には入らないよね?」と思うかもしれません。
実はみりんは調味料ではなく”飲み物”と分類されています。みりんが調味料として使用されはじめたのが江戸時代後期といわれていて、それ以前はそのまま飲むのが主流でした。今でも千葉県流山市ではみりんを飲む習慣があるようです。
そのため、みりんはリキュールと同じ混成酒類に分類され酒税がかかります。
ビールにはどのくらい酒税が含まれている?
酒税は種類別に細かく定められています。
ここでは例として、ビールについて説明します。
現在ビールにかかる酒税は、1キロリットルあたり200,000円となっています。
これを一ミリリットルあたりに直すと1㎖=0.2円になります。
0.2 × 350㎖=70円と計算できます。
これからの酒税はどうなる?
2020年10月からビールや日本酒の酒税が下がって、第3のビールやワインなどの果実酒は逆に上がっています。(全然気が付かなかった💦)
種類別によって酒税のかかり方が違い、商品開発や販売数量に影響がでているので、もっと公平にしようというのが背景にあります。
2020年10月に続いて2023年10月、2026年10月と3段階に分けて酒税の改正が行われます。最終的にはビール・発泡酒・第3のビールの税率は同じになり、清酒・果実酒も同じになる予定です。
出典: 財務省 酒税に関する資料 : 財務省 (mof.go.jp)
メーカーさんの商品開発(力の入れ方)もこれから変わってきそうですね。
たばこ税
今のたばこ税は?
たばこ税に対しても段階的に上げられてきているのは、みなさんもご存じと思います。実は現在たばこと分類される紙巻・葉巻・加熱式等々の税率は大体同じになるように設定されています。(細かい計算式あり)
出典: 財務省 たばこ税等に関する資料 : 財務省 (mof.go.jp)
たばこ税と消費税を含めると、6割以上が税金になります。
将来は1箱1000円を超える?
日本のたばこ販売価格は海外に比べてまだまだ安いといわれています。政治家の議員の方も「1000円でも全然いい」と発言している人もいます。
ここからは個人的な意見になりますが、1000円台になることは当分ないと思います。
なぜならたばこ税は貴重な税収だからです。
たび重なる増税や健康意識の向上、加えて喫煙スペースの減少や屋内が原則禁煙になるなどで、やめてしまった人も多いと思います。
それでもたばこ税の税収は年間2兆円前後をキープし続けているんです。
段階的に上げているのも、「どの位の値段だったらこの税収をキープできるか?」と試しているように思えます。
電子たばこ(VAPE)の将来
タール・ニコチンを含まず(海外ではニコチン入りの物もあり)カートリッジから出た蒸気を吸い込む電子たばこですが、将来的に禁止もしくは新たな税が増える可能性があります。
現にアメリカではフレーバー付きの電子たばこは禁止の流れが広がっており、アジア圏でもシンガポール・台湾・タイなどは持ち込み自体が禁止になっています。
現状電子たばこに対する健康被害は、日本では “原因と疑われる” 段階ですが、これから”確信”に変わった時にどうなるか気になるところです。